10という数字は2の倍数でもあり、5の倍数でもあります。
ある数が2の倍数であるための条件は、一の位の数が偶数であること。5の倍数であるための条件は、一の位の数が0か5であることです。
10という数字は、以上の条件から2の倍数でもあり、5の倍数でもあるとわかります。
2や5のような簡単なものであればすぐに見分けることができますが、7や11などの倍数の見分け方は知らない方も多いのではないでしょうか。
この記事では3、7、11などの自然数の倍数の見分け方について解説していきます。
見分け方を知っていると、最小公倍数や最大公約数を求めたり、素因数分解をするときに役立てることができますので、ぜひ覚えてみてください。
倍数の見分け方一覧
13より大きい数字のものはあまり使う場面がないかもしれません。
倍数 | 見分け方 | 例 |
2の倍数 | 一の位の数が偶数であるもの | 10348など |
3の倍数 | 各桁の数の和が3の倍数であるもの | 4482など |
4の倍数 | 下二桁が4の倍数または00であるもの | 35924など |
5の倍数 | 一の位が0か5であるもの | 6335など |
6の倍数 | 2の倍数と3の倍数の条件を満たすもの | 31944など |
7の倍数 | 一の位から三桁ごとに区切り、上位の数から引く(-)足す(+)を繰り返す その数が7の倍数であるもの | 2329292など |
8の倍数 | 下三桁が8の倍数であるもの、000であるもの | 11496など |
9の倍数 | 各桁の数の和が9の倍数であるもの | 582507など |
10の倍数 | 一の位が0であるもの | 5940など |
11の倍数 | 奇数桁の数の和と偶数桁の数の和の差が11の倍数であるもの | 379907など |
13の倍数 | 一の位から三桁ごとに区切り、下位の数から引く(-)足す(+)を繰り返す その数が13の倍数であるもの | 5933889など |
17の倍数 | 百の位以上の数の2倍と下二桁の数の差が17の倍数であるもの | 74324など |
19の倍数 | 上位の桁から順に2のべき乗(1,2,4...)をかけ合わせる それらの数の和が19の倍数であるもの | 862068など |
23の倍数 | 下一桁を除いた数と下一桁を7倍した数の和が23の倍数であるもの | 123901など |
29の倍数 | 上位の桁から順に3のべき乗(1,3,9...)をかけ合わせる それらの数の和が29の倍数であるもの | 105763など |
31の倍数 | 上位の桁から順に3のべき乗(1,3,9...)をかけ合わせる 上位の数から引く(-)足す(+)を繰り返した数が31の倍数であるもの | 417229など |
具体的な計算例
倍数の見分け方の計算の具体例を示していきます。
注意点
上の表の見分け方を使って計算した結果が大きい数字であり、その倍数であるかどうかがわかりにくい場合があります。
そのようなときは、同じ方法を繰り返すことで解決できます。
例えば9429794929979539629という数字が3の倍数であるか見分けたいとします。
3の倍数であるための条件は、「各桁の数の和が3の倍数であるもの」なので、各桁の数を足してみます。
9 + 4 + 2 + 9 + ... + 9 = 123
この123という数字が3の倍数であるかすぐにわからない場合は、もう一度123に対して各桁の数を足します。
1 + 2 + 3 = 6
6は3の倍数なので、123は3の倍数となります。
さらに123が3の倍数なので、9429794929979539629も3の倍数であることがわかりますね。
必要に応じて自身が直感的にわかる数が出てくるまで繰り返し計算しましょう。
2の倍数 計算例
10348は、一の位が8で偶数なので2の倍数となります。
3の倍数 計算例
4482のそれぞれの位の数を足し合わせると
4 + 4 + 8 + 2 = 18
18は3の倍数であるため、4482は3の倍数になります。
4の倍数 計算例
35924の下二桁は24であり、4の倍数であるため、35924は4の倍数になります。
5の倍数 計算例
6335の一の位の数は5であるため、6355は5の倍数となります。
6の倍数 計算例
31944の一の位は偶数であり、それぞれの位を足し合わせると
3+1+9+4+4 = 21
21は3の倍数であるため、31944は3の倍数であることがわかります。
2の倍数であり、3の倍数でもあるため、39144は6の倍数になります。
7の倍数 計算例
2329292を一の位から三桁ごとに2と329と292のように区切って、上位の数から引き足しを繰り返すと
2 - 329 + 292 = -35
35は7の倍数であるため、2329292は7の倍数になります。
8の倍数 計算例
11496の下三桁496を8で割ると
496 ÷ 8 = 62
であり、496は8の倍数であるから、11496も8の倍数になります。
9の倍数 計算例
582507の各桁の数を足し合わせると
5 + 8 + 2 + 5 + 0 + 7 = 27
27は9の倍数なので、582507も9の倍数となります。
10の倍数 計算例
5940の一の位が0であるため、5940は10の倍数となります。
11の倍数 計算例
379907の奇数桁の数の和と偶数桁の数の和はそれぞれ
3 + 9 = 12
7 + 8 + 7 = 23
その差は23 - 12 = 11で、11の倍数であるから
379907は11の倍数になります。
13の倍数 計算例
5933889を一の位から三桁ごとに5、933、889のように区切り、下位の数から引き足しを繰り返すと
889 - 933 + 5 = -39
39は13の倍数であるため、5933889は13の倍数となります。
17の倍数 計算例
74324の百の位以上の数を2倍して、下二桁との差を求めると
743 ✕ 2 - 24 = 1486 - 24 = 1462
繰り返して
14 ✕ 2 - 62 = -34
34は17の倍数であるから、74324も17の倍数となります。
19の倍数 計算例
862068の上位の数から順に2のべき乗をかけて足していくと
8 + 6 ✕ 2 + 2 ✕ 4 + 0 ✕ 8 + 6 ✕ 16 + 8 ✕ 32 = 380
380は19の倍数であるから、862068も19の倍数となります。
23の倍数 計算例
123901の下位一桁に7をかけて、下位一桁を除いた数を足すと
7 + 12390 = 12397
繰り返して
1239 + 49 = 1288
128 + 8 ✕ 7 = 184
18 + 4 ✕ 7 = 46
46は23の倍数なので、123901は23の倍数となります。
29の倍数 計算例
105763の上位の数から順に3のべき乗をかけて足していくと
1 + 0 ✕ 3 + 5 ✕ 9 + 7 ✕ 27 + 6 ✕ 81 + 3 ✕ 243 = 1450
繰り返して
1 + 4 ✕ 3 + 5 ✕ 9 = 58
58は29の倍数であるから、105763も29の倍数となります。
31の倍数 計算例
417229の上位の数から順に3のべき乗をかけて足していくと
4 - 1 ✕ 3 + 7 ✕ 9 - 2 ✕ 27 + 2 ✕ 81 - 9 ✕ 243 = -2015
繰り返して
2 - 0 ✕ 3 + 1 ✕ 9 - 5 ✕ 27 = -124
124は31の倍数であるから、417229も31の倍数になります。
それぞれの証明方法(記事作成中)
なぜこれらの方法で判別できるのでしょうか。
その証明方法については別の記事にまとめています。
気になる方はぜひご覧ください。
2の倍数の見分け方の証明
3の倍数の見分け方の証明
4の倍数の見分け方の証明
5の倍数の見分け方の証明
7の倍数の見分け方の証明