古典制御工学で、安定判別法と言われて思い浮かべるのは「ラウス・フルビッツの安定判別法」、「ナイキストの安定判別法」ですが、ボード線図でも安定判別を行うことができます
この記事では、ボード線図から安定判別を行う方法について解説します
ボード線図の描き方についてはこちらの記事をご覧ください
ボード線図の描き方について解説
続きを見る
ボード線図による安定判別
ボード線図による安定判別を行うために、まずは以下の二つを求める必要があります
・ゲイン余裕
・位相余裕
それぞれについて見ていきましょう
ゲイン余裕・位相余裕
位相が\(-180[deg]\)のときのゲインの値と\(0[dB]\)の差をゲイン余裕\(g_{M}\)と呼び、ゲインが\(0[dB]\)のときの位相の遅れと\(-180[deg]\)の差を位相余裕\(p_{M}\)と呼びます
位相が\(-180[deg]\)のときの周波数を位相交差周波数\(p_{CP}\)、ゲインが\(0[dB]\)のときの周波数をゲイン交差周波数\(p_{CG}\)と呼びます
ボード線図による安定判別
以下の2点が満たされている場合は、システムが安定だと言えます
・ゲイン交差周波数での位相の値が\(-180[deg]\)よりも大きい
・位相交差周波数でのゲインの値が負
すなわち、ゲイン余裕と位相余裕が正の値であれば安定だと言えます
ゲイン余裕と位相余裕の値が大きいほど、より安定だということになります