今回は定数係数非同次微分方程式を微分演算子を使って解く方法について解説します。
微分演算子については下記の記事をご覧ください。
また、微分演算子を使わない解法についてはこちらをご覧ください。
定数係数非同次微分方程式とは
$$y'' + 5y' + 4y = 0$$のようなものを定数係数同次微分方程式というのに対し$$y'' + 5y' + 4y = e^x$$のようなものを定数係数非同次微分方程式といいます。
解法
1.定数係数非同次微分方程式の同伴方程式の特性方程式の一般解(余関数)Yを求める。
2.定数係数非同次微分方程式を微分演算子で表し、特殊解y0を求める。
3.一般解yは y = Y + y0によって求まる。
$$y'' + 5y' + 4 = e^x \cdots ①$$を例に考えます。
①の同伴方程式の特性方程式$$λ^2 + 5λ + 4 = 0$$の一般解(余関数)を求めます。ここでは$$λ = -1, -4$$となるため余関数Yは$$Y = C_{1}e^{-x} + C_{2}e^{-4x}$$となります。
①は微分演算子を用いて$$(D^2 + 5D + 4)y = e^x \cdots ①'$$と表されます。①'の特殊解y0は
となります。
よって①の一般解yは
となります。
練習問題で確認してみましょう。
練習問題
次の微分方程式の一般解を求めよ
(1)$$y''' - 7y' -6 = e^{4x} \cdots ②$$
(2)$$y'' + y = cos3x \cdots ③$$
【解答】
(1)
②の同伴方程式の特性方程式$$λ^3 - 7λ -6 = 0$$を変形して$$(λ+2)(λ+1)(λ-3) = 0$$より、$$λ = -2, -1 , 3$$であるから一般解(余関数)は$$Y = C_{1}e^{-2x} + C_{2}e^{-x} + C_{3}e^{3x}$$となります。
②を微分演算子を用いて$$(D^3 - 7D -6)y = e^{4x}$$となるから特殊解y0は
よって一般解は
となります。
(2)
③の同伴方程式の特性方程式$$λ^2 + 1 = 0$$より$$λ = ±1$$であるから一般解(余関数)は$$Y = C_{1}cosx + C_{2}sinx$$となります。
③を微分演算子を用いて$$(D^2 + 1)y = cos3x$$となるから特殊解は
間違い、質問などありましたらコメントお願いします。