今回は微分演算子について解説します。
微分演算子とは
y=f(x)のような関数の導関数は$$\frac{d}{dx}$$や「'」を用いて表しますが、これ以外にも記号Dを用いて
のように表すことができます。この記号Dのことを微分演算子といいます。
さらに多項式
のxをDにおきかえたf(D)も微分演算子といいます。さらにこの微分演算子の逆数$$\frac{1}{f(D)}$$を逆演算子といいます。
基本公式
微分演算子と逆演算子には以下のような性質があります。
$$D^{n}e^{αx} = α^{n}e^{αx}$$
$$D^{n}(e^{αx}g(x)) = e^{αx}(D + α)^{n}g(x)$$
$$\frac{1}{D-α}f(x) = e^{αx}\int_{}^{}{e^{-αx}f(x)}dx$$
$$\frac{1}{(D-α)^{n}}e^{αx} = \frac{x^n}{n!}e^{αx}$$
$$\frac{1}{f(D)}e^{αx} = \frac{e^{αx}}{f(α)}$$
$$\frac{1}{f(D)}(e^{αx}f(x)) = e^{αx}\frac{1}{f(D+α)}f(x)$$
$$\frac{1}{f(D^2)}cosαx = \frac{cosαx}{f(-α^2)}$$
$$\frac{1}{f(D^2)}sinαx = \frac{sinαx}{f(-α^2)}$$
$$\frac{1}{D^2+ α^2}cosαx = \frac{xsinαx}{2α}$$
$$\frac{1}{D^2+ α^2}sinαx = -\frac{xcosαx}{2α}$$
$$\frac{1}{1-D}f(x) = (1 + D + D^2 + … + D^n)f(x)$$
ではこれらを使って練習問題で確認していきましょう。
練習問題
次の各式を計算せよ(任意定数は省略)
(1)$$\frac{1}{D}2x$$
(2)$$\frac{1}{(D+1)(D+3)}e^x$$
(3)$$\frac{1}{D-3}x$$
(4)$$\frac{1}{D-3}e^{3x}$$
(5)$$\frac{1}{D^2 - D - 1}(x^2)$$
(6)$$\frac{1}{D^4 - 2D^2}cos3x$$
(7)$$\frac{1}{D^2 - 2D + 2}e^{x}sin2x$$
【解答】
(1)$$\frac{1}{D}2x = x^2 + C$$
(2)
(3)$$\frac{1}{D-3}x = e^{3x}\int_{}^{}{e^{-3x}x}dx$$ここで部分積分より$$\int_{}^{}{e^{-3x}x}dx = -\frac{1}{3}xe^{-3x} - \frac{1}{9}e^{-3x}$$であるから
(4)
(5)
(6)
(7)
間違い、質問等あればコメントよろしくお願いします。