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大学数学

掃き出し法を使って逆行列を求める

2×2の逆行列の求め方として公式を使用する方法もありますが、3×3や4×4の逆行列を求める公式はありません。
そんなときに登場するのが「掃き出し法」と「余因子行列」というものです。
今回はそんな「掃き出し法」で逆行列を求める方法を解説していきます。
余因子行列を使う方法についてはこちらの記事をご覧ください。

余因子行列を使って逆行列を求める

手順

掃き出し法での逆行列の解き方の手順についてです。
行列Aの右に単位行列Iをつけ[A I]としてから、行基本変形を行い[I B]に変形します。
この行列BがAの逆行列です。

文字だけではよくわからないと思うので練習問題をやってみましょう。

練習問題

(1)次の2×2の行列Aの逆行列を求めよ。
$$A = \left[\begin{array}{rr} 1 & 2 \\ 1 & 3\end{array} \right]$$
(2)次の3×3の行列Aの逆行列を求めよ。
$$A = \left[\begin{array}{rrr} 1 & 2 & 0\\ 1 & 1 & 2 \\ 2 & 1 & 1\end{array} \right]$$

 

【解答】
(1)手順の通り、まず行列Aの右に単位行列Iをつけて[A I]とします。
$$[A I] = \left[\begin{array}{rr|rr} 1 & 2 & 1 & 0 \\ 1 & 3 & 0 & 1\end{array} \right]$$
これに対し、行基本変形を行い[I B]に変形します。
まず、この行列の1行目を-1倍にして2行目に加えると
$$\left[\begin{array}{rr|rr} 1 & 2 & 1 & 0 \\ 0 & 1 & -1 & 1\end{array} \right]$$
次に、2行目を
-2倍にして1行目に加えると
$$\left[\begin{array}{rr|rr} 1 & 0 & 3 & -2 \\ 0 & 1 & -1 & 1\end{array} \right]$$
となり、[I B]の形になりました。
よってAの逆行列は
$$A^{-1}\left[\begin{array}{rr} 3 & -2 \\ -1 & 1\end{array} \right]$$
となります。

(2)手順の通り、まず行列Aの右に単位行列Iをつけて[A I]とします。
$$[A I] = \left[\begin{array}{rrr|rrr} 1 & 2 & 0 & 1 & 0 & 0 \\ 1 & 1 & 2 & 0 & 1 & 0 \\ 2 & 1 & 1 & 0 & 0 & 1 \end{array} \right]$$
これに対し、行基本変形を行い[I B]に変形します。
この行列の1行目を-1倍にして2行目に加え、1行目を-2倍にして3行目に加えると
$$\left[\begin{array}{rrr|rrr} 1 & 2 & 0 & 1 & 0 & 0 \\ 0 & -1 & 2 & -1 & 1 & 0 \\ 0 & -3 & 1 & -2 & 0 & 1 \end{array} \right]$$
ここで2行目に-1をかけます。
$$\left[\begin{array}{rrr|rrr} 1 & 2 & 0 & 1 & 0 & 0 \\ 0 & 1 & -2 & 1 & -1 & 0 \\ 0 & -3 & 1 & -2 & 0 & 1 \end{array} \right]$$
次に2行目に-2をかけ1行目に加え、2行目に3をかけ3行目に加えると
$$\left[\begin{array}{rrr|rrr} 1 & 0 & 4 & -1 & 2 & 0 \\ 0 & 1 & -2 & 1 & -1 & 0 \\ 0 & 0 & -5 & 1 & -3 & 1 \end{array} \right]$$
ここで3行目に-1/5をかけます。
$$\left[\begin{array}{rrr|rrr} 1 & 0 & 4 & -1 & 2 & 0 \\ 0 & 1 & -2 & 1 & -1 & 0 \\ 0 & 0 & 1 & -\frac{1}{5} & \frac{3}{5} & -\frac{1}{5} \end{array} \right]$$
最後に3行目に2をかけて2行目に加え、3行目に-4をかけて1行目に加えると
$$\left[\begin{array}{rrr|rrr} 1 & 0 & 0 & -\frac{1}{5} & -\frac{2}{5} & \frac{4}{5} \\ 0 & 1 & 0 & \frac{3}{5} & \frac{1}{5} & -\frac{2}{5} \\ 0 & 0 & 1 & -\frac{1}{5} & \frac{3}{5} & -\frac{1}{5} \end{array} \right]$$
となり、[I B]の形になりました。
よってAの逆行列は
$$ A^{-1} = \frac{1}{5}\left[\begin{array}{rrr} -1 & -2 & 4\\ 3 & 1 & -2 \\ -1 & 3 & -1\end{array} \right]$$
となります。

まとめ

今回は「掃き出し法」で逆行列を求める方法を解説しました。
掃き出し法で大切なポイントは[A I]→[I B]に変形する際にAをIにするように意識しながら行基本変形を行うことです。
この作業は慣れですのでたくさん問題を解いて上手く変形ができるようにしましょう。

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