大学数学

行列を使って連立1次方程式を解く【掃き出し法】

行列を使って掃き出し法で連立1次方程式を解く方法について解説します。

クラメルの公式で解く方法はこちら。

行列を使って連立1次方程式を解く【クラメルの公式】

掃き出し法での解き方

次のようなn個の式から成る連立方程式について考えます。

$$\begin{cases}a_{11}x_{1}+a_{12}x_2 + … + a_{1n}x_n=c_1\\ a_{21}x_{1}+a_{12}x_2 + … + a_{2n}x_n=c_2\\ ………………\\a_{n1}x_{1}+a_{n2}x_2 + … + a_{nn}x_n=c_n\end{cases}$$

この連立方程式を行列で表すと次のようになります。

$$\left[\begin{array}{rrrr} a_{11} & a_{12} & … & a_{1n} \\ a_{21} & a_{22} & … & a_{2n} \\ … & … & … & … \\ a_{n1} & a_{n2} & … & a_{nn} \end{array} \right]\left[\begin{array}{r} x_1 \\ x_2 \\…\\x_n\end{array} \right] = \left[\begin{array}{r} c_1 \\ c_2 \\…\\c_n\end{array} \right]$$

ここで

$$A = \left[\begin{array}{rrrr} a_{11} & a_{12} & … & a_{1n} \\ a_{21} & a_{22} & … & a_{2n} \\ … & … & … & … \\ a_{n1} & a_{n2} & … & a_{nn} \end{array} \right],c = \left[\begin{array}{r} c_1 \\ c_2 \\…\\c_n\end{array} \right]$$

とします。
ここで行列Aに行列bを加えた行列[A|c]を拡大行列といい、行基本変形をして[A|c]→[E|a]と変形します。(Eは単位行列)

このaがこの連立方程式の解となります。
よくわからない方もいると思うので練習問題で確認してみましょう。

練習問題

次の連立方程式を掃き出し法を使って求めよ。
(1)$$\begin{cases}x + 7y = 19\\2x + 3y = 16\end{cases}$$
(2)$$\begin{cases}-x + 2y + z = 7 \\ x + y + 3z = 10 \\ 2x - 3y + 2z = -3\end{cases}$$

【解答】
(1)連立方程式を行列で表すと$$\left[\begin{array}{rr} 1 & 7 \\ 2 & 3\end{array} \right]\left[\begin{array}{r} x \\ y \end{array} \right] = \left[\begin{array}{r} 19 \\ 16 \end{array} \right]$$
ここで$$A = \left[\begin{array}{rr} 1 & 7 \\ 2 & 3\end{array} \right] , c = \left[\begin{array}{r}19 \\ 16\end{array} \right]$$とする。すると拡大行列は$$[A|c] = \left[\begin{array}{rr|r} 1 & 7 & 19\\ 2 & 3 & 16\end{array}\right]$$となるから、これを行基本変形により[E|a]の形にすることを目指します。
まず、1行目を-2倍して2行目に加えると$$\left[\begin{array}{rr|r} 1 & 7 & 19\\ 0 & -11 & -22\end{array}\right]$$2行目を-11で割って$$\left[\begin{array}{rr|r} 1 & 7 & 19\\ 0 & 1 & 2\end{array}\right]$$さらに2行目に-7をかけて1行目に加えると$$\left[\begin{array}{rr|r} 1 & 0 & 5\\ 0 & 1 & 2\end{array}\right]$$となります。
よって連立方程式の解は$$x = 5 , y = 2$$となります。

(2)連立方程式を行列で表すと$$\left[\begin{array}{rrr} -1 & 2 & 1 \\ 1 & 1 & 3 \\2 & -3 & 2 \end{array} \right]\left[\begin{array}{r} x \\ y \\ z \end{array} \right] = \left[\begin{array}{r} 7 \\ 10 \\ -3 \end{array} \right]$$
ここで$$A = \left[\begin{array}{rrr} -1 & 2 & 1 \\ 1 & 1 & 3 \\2 & -3 & 2 \end{array} \right] , c = \left[\begin{array}{r} 7 \\ 10 \\ -3 \end{array} \right]$$とする。すると拡大行列は$$[A|c] = \left[\begin{array}{rrr|r}-1 & 2 & 1 & 7 \\ 1 & 1 & 3  & 10\\2 & -3 & 2 & -3\end{array}\right]$$となるから、これを行基本変形により[E|a]の形にすることを目指します。
まず、1行目を2行目に加え、1行目を2倍して3行目に加えると$$\left[\begin{array}{rrr|r}-1 & 2 & 1 & 7 \\ 0 & 3 & 4  & 17\\0 & 1 & 4 & 11\end{array}\right]$$3行目を-1倍して2行目に加え、2行目を2で割ると$$\left[\begin{array}{rrr|r}-1 & 2 & 1 & 7 \\ 0 & 1 & 0  & 3\\0 & 1 & 4 & 11\end{array}\right]$$2行目を-1倍して3行目に加え、2行目を-2倍して1行目に加え、3行目を4で割ると$$[A|c] = \left[\begin{array}{rrr|r}-1 & 0 & 1 & 1 \\ 0 & 1 & 0  & 3\\0 & 0 & 4 & 2\end{array}\right]$$最後に3行目を-1倍して1行目に加え、1行目を-1倍すると$$[A|c] = \left[\begin{array}{rrr|r}1 & 0 & 0 & 1 \\ 0 & 1 & 0  & 3\\0 & 0 & 1 & 2\end{array}\right]$$よって連立方程式の解は$$x = 1 , y = 3, z = 2$$となります。

おまけ

今回紹介した掃き出し法を使って行列の逆行列を求めることもできます。興味のある方はこちらの記事もご覧ください。

掃き出し法を使って逆行列を求める

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