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部分分数分解とは?解くメリットと計算方法について解説

この記事では、主に数学Bの数列や数学Ⅲの積分計算に使う部分分数分解について解説します

公式とかを覚える必要はなく、やり方だけ理解できれば簡単ですので、是非最後までご覧ください

 

部分分数分解とは?メリットは?

部分分数分解は、積の形になっている分数を和や差の分数にする変形のことです

具体的には以下のような変形を行います

$$\frac{1}{(x-2)(x+1)} = \frac{1}{3(x-2)} - \frac{1}{3(x+1)}$$

上のような作業を「\(\frac{1}{(x-2)(x+1)}\)を部分分数分解する」というように言います

 

積分計算をするとき、\(\frac{1}{(x-2)(x+1)}\)をそのまま積分することは難しいと思います

そこで、部分分数分解を行って\(\frac{1}{3(x-2)} - \frac{1}{3(x+1)}\)の形にすることで、有名な以下の公式を使って容易に積分を行うことができます

$$\int \frac{f'(x)}{f(x)}dx = log|f(x)| + C$$

 

また、数列の計算にも役立ちます

\(\sum_{k=1}^{k=n} \frac{1}{n(n+1)}\)を計算するとき、部分分数分解を使うと

$$\begin{align*}
\sum_{k=1}^{k=n} \frac{1}{n(n+2)}
&= \frac{1}{1\cdot 2} + \frac{1}{2\cdot 3} + \frac{1}{3\cdot 4} + \cdots\\
&+\frac{1}{(n-2)(n-1)} + \frac{1}{(n-1)n} + \frac{1}{n(n+1)}\\
&= (\frac{1}{1}-\frac{1}{2}) + (\frac{1}{2}-\frac{1}{3}) + (\frac{1}{3}-\frac{1}{4})   + \cdots\\
&+  (\frac{1}{n-2}-\frac{1}{n-1}) + (\frac{1}{n-1}-\frac{1}{n}) + (\frac{1}{n}-\frac{1}{n+1})\\
&= 1 - \frac{1}{n+1}\\
&= \frac{n}{n+1}
\end{align*}$$

のように計算をすることができます

 

他にもラプラス変換、逆ラプラス変換をするときにも便利です

 

部分分数分解の解き方

主に5つのパターンに分けられます

 

1.\(\frac{1}{(x+p)(x+q)}\)のような形

分母が二次式の場合は、以下のように変形できます

$$\frac{1}{(x+p)(x+q)} = \frac{A}{x+p} + \frac{B}{x+q}$$

A , Bは定数です

両辺に\((x+p)(x+q)\)をかけて

$$\begin{align*}
1 &= Ax + Aq + Bx + Bp\\
1 &= (A+B)x + (Aq+Bp)
\end{align*}$$

これが恒等式になるので、係数を比較すると

$$A+B = 0~,~Aq+Bp = 1$$

$$A = \frac{1}{q-p}~,~B = \frac{1}{p-q}$$

となるので、A , Bに代入すると

$$\frac{1}{(x+p)(x+q)} = \frac{1}{(q-p)(x+p)} + \frac{1}{(p-q)(x+q)}$$

のように部分分数分解ができました

 

2.\(\frac{cx+r}{(ax+p)(bx+q)}\)のような形

分母が二次式で、分子が一次式のときも、同じように変形できます

$$\frac{cx+r}{(ax+p)(bx+q)} = \frac{A}{(ax+p)} + \frac{B}{(bx+q)}$$

同じように恒等式で係数比較します

 

3.\(\frac{bx+q}{(ax+p)^2}\)のような形

分母が二乗の形で、分子が一次式のときは、以下のように変形できます

$$\frac{bx+q}{(ax+p)^2} = \frac{A}{(ax+p)^2} + \frac{B}{(ax+p)}$$

同じように恒等式で係数比較します

 

4.\(\frac{1}{(ax + p)^2 (bx + q)}\)のような形

分母が「一次式の二乗×一次式」のときは、以下のように変形できます

$$\frac{1}{(ax + p)^2 (bx + q)} = \frac{A}{(ax+p)^2} + \frac{B}{ax+p} + \frac{C}{bx+p}$$

同じように恒等式で係数比較します

 

5.\(\frac{ax^2 + bx + c}{(px + q)(rx^2 + sx + t)}\)のような形

分母が三次式で、分子が二次式のときは、以下のように変形できます

$$\frac{ax^2 + bx + c}{(px+q)(rx^2 + sx + t)} = \frac{A}{px+q} + \frac{Bx + C}{rx^2 + sx + t}$$

同じように恒等式で係数比較します

 

パターン分けをしましたが、「分数の分解→係数比較」というやり方は全て同じなので、そこだけ意識すれば問題ありません

 

例題

では、実際にこれまでのパターンを考えて、部分分数分解をしてみましょう

以下の(1)から(5)の式を部分分数分解してください

(1)

$$\frac{1}{(x-2)(x+1)}$$

(2)

$$\frac{x+2}{(2x+1)(x+1)}$$

(3)

$$\frac{x+1}{(x+3)^2}$$

(4)

$$\frac{1}{(x-1)^2 (2x+3)}$$

(5)

$$\frac{5x^2 + 7x + 3}{(2x+1)(3x^2 + 4x + 2)}$$

 

【解答&解説】

(1)パターンの1になります

$$\frac{1}{(x-2)(x+1)} = \frac{A}{x-2} + \frac{B}{x+1}$$

両辺に\((x-2)(x+1)\)をかけて

$$\begin{align*}
1 &= A(x+1) + B(x-2)\\
1 &= (A+B)x + A-2B
\end{align*}$$

これが恒等式になるので、係数を比較すると

$$A + B = 0~,~A-2B = 1$$

$$A = \frac{1}{3}~,~B = -\frac{1}{3}$$

よって

$$\frac{1}{(x-2)(x+1)} = \frac{1}{3(x-2)} - \frac{1}{3(x+1)}$$

 

 

(2)パターンの2になります

$$\frac{x+2}{(2x+1)(x+1)} = \frac{A}{2x+1} + \frac{B}{x+1}$$

両辺に\((2x+1)(x+1)\)をかけて

$$\begin{align*}
x + 2 &= A(x+1) + B(2x+1)\\
x + 2 &= (A+2B)x + A + B
\end{align*}$$

これが恒等式になるので、係数を比較すると

$$A+2B = 1~,~A+B=2$$

$$A=3~,~B=-1$$

よって

$$\frac{x+2}{(2x+1)(x+1)} = \frac{3}{2x+1} - \frac{1}{x+1}$$

 

 

(3)パターンの3になります

$$\frac{x+1}{(x+3)^2} = \frac{A}{(x+3)^2} + \frac{B}{x+3}$$

両辺に\((x+3)^2\)をかけて

$$\begin{align*}
x + 1 &= A + B(x+3)\\
x+ 1 &= (A+B)x + 3B
\end{align*}$$

これが恒等式になるので、係数を比較すると

$$1 = B~,~1 = A+3B$$

$$A = -2 ~,~B = 1$$

よって

$$\frac{x+1}{(x+3)^2} = -\frac{2}{(x+3)^2} + \frac{1}{x+3}$$

 

 

(4)パターンの4になります

$$\frac{1}{(x-1)^2 (2x+3)} = \frac{A}{(x-1)^2} + \frac{B}{x-1} + \frac{C}{2x+3}$$

両辺に\((x-1)^2 (2x+3)\)をかけて

$$\begin{align*}
1 = A(2x+3) + B(x-1)(2x+3) + C(x-1)^2\\
1 = (2B+C)x^2 + (2A+B-2C)x + 3A-3B+C
\end{align*}$$

これが恒等式になるので、係数を比較すると

$$2B + C = 0~,~2A+B-2C = 0~,~3A-3B + C = 1$$

$$A = \frac{1}{5}~,~B=-\frac{2}{25}~,~C = \frac{4}{25}$$

よって

$$\frac{1}{(x-1)^2 (2x+3)} = \frac{1}{5(x-1)^2} - \frac{2}{25(x-1)} + \frac{4}{25(2x+3)}$$

 

 

(5)パターンの5になります

$$\frac{5x^2 + 7x + 3}{(2x+1)(3x^2 + 4x + 2)} = \frac{A}{2x+1} + \frac{Bx+C}{3x^2 + 4x + 2}$$

両辺に\((2x+1)(3x^2 + 4x + 2)\)をかけて

$$\begin{align*}
5x^2 + 7x + 3 &= (3x^2 + 4x + 2)A+(2x+1)(Bx+C)\\
5x^2 + 7x + 3 &= (3A+2B)x^2 + (4A + B + 2C)x + 2A + C
\end{align*}$$

これが恒等式になるので、係数を比較すると

$$3A + 2B = 5~,~4A + B + 2C = 7~,~2A+C = 3$$

$$A = 1~,~B=1~,~C = 1$$

よって

$$\frac{5x^2 + 7x + 3}{(2x+1)(3x^2 + 4x + 2)} = \frac{1}{2x+1} + \frac{x+1}{3x^2 + 4x + 2}$$

 

まとめ

部分分数分解のメリットやパターン別の解き方について説明しました

計算方法は難しいものではないので、しっかりと理解しておきましょう

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