今回は機械系の大学院入試対策におすすめの参考書(専門科目)を紹介します。
出題科目
大学院によって出題範囲は異なりますが、ほとんどの大学院では以下の科目から出題されます。
- 機械力学
- 材料力学
- 熱力学(+伝熱工学)
- 流体力学
- 制御工学
科目ごとに紹介していきます。
機械力学
院試では工業力学と振動工学が合わせて出題されます。
大学院によっては、制御工学と組み合わせて出題されるところもあります
力学分野でこの本以上に網羅的な教材はないと思います、これをマスターすれば怖いものなしです。
700問以上の演習問題があるため、受験する大学院の過去問を見て、必要な問題を選んでやるようにすると良いと思います。
ただし、振動工学の範囲は掲載されていないので注意が必要です。
JSMEシリーズの振動学分野です。
自由振動、強制振動は頻出範囲なので、このテキストでカバーするといいと思います。
JSMEシリーズなので、機械系の院試にぴったりの内容ですが、各章ごとに記号が揃っていないのがマイナスポイントです。
古いものですが、振動工学、制御工学を工業力学と混ぜて説明している参考書の中では、これが一番内容が良かったです。
東京大学大学院の機械工学専攻などで「機械力学」という科目は、工業力学と振動工学、制御工学が合わせて出題されます。
受験する大学の科目によって購入を決めるとよいでしょう。
材料力学
院試で出題される材料力学の問題は、四力学の中でも問題のパターンが限られていているので得点源にしたい科目です。
選択科目になっているところだと、一番受験者が多いのではないでしょうか。
JSMEシリーズの材料力学分野です。これだけやっておけば材料力学の対策は十分だと思います。
式の導出が詳しく載っており、本質を学べる一冊。
問題も章ごとについているので演習もすることができます。
演習版もあるのですが、個人的には必要ないと思います。
東工大の講義がまとまっている参考書。
さきほどのJSMEシリーズが終わって、過去問もやって、やることがなかったら購入してもいいかもしれません。
熱力学(+伝熱工学)
熱力学、伝熱工学についてはJSMEシリーズが特におすすめです!
熱サイクルの分野が特に分かりやすかったです。
熱力学に関してはこれらの参考書と過去問だけで十分だと思います。
※私は受験科目に「統計熱力学」がなかったのでその参考書については載せていません。
統計熱力学の分野はJSMEシリーズには載っていません。他の参考書を探してみてください。
院試で出題される範囲の伝熱工学を完璧に仕上げたい方にはおすめしたい参考書。
とにかく内容が盛りだくさんで、各章に演習問題もたくさんついてます。
価格が高いというのがマイナスポイントですね。演習問題の解答は追加料金を払わないといけないというのも学生には手を出しずらいところでしょうか。
流体力学
個人的に流体力学は四力の中でも一番難しくて、理解するまで一番時間のかかる分野だと思います。
じっくりと時間をかけて学習していくことをおすすめします。
JSMEシリーズの流体力学分野です。
基礎から応用まで詰め込まれており、特に式の導出を学ぶ際に役に立つと思います。
1冊で済ませたい方はこれが最適ではないでしょうか。
流体力学の中で一番好きな参考書
式の導出や展開が丁寧でとにかく分かりやすい。
流体が苦手な方の入門書としてすごくおすすめです。
流体力学に興味を持つことができるような一冊だと思います。
こちらは問題集。院試で出題されるような問題は全て網羅されています。
大きいし、分厚い。
250問もあるため、全部を解く時間はないと思いますが、過去問の類題を探して解いていくというやり方が良いのではないでしょうか。
圧縮性流体力学についての参考書。
圧縮性流体に関しては、出題されていない大学院も多いので、過去問で確認してみてください。
制御工学
大学によっては機械力学として出題されることもあります。
古典制御と現代制御から出題されますが、古典制御が中心に出題されるところが多いです。
某人気ラノベのようなタイトル。
あまり他のサイトでおすすめされているのを見たことがありませんが、個人的におすすめの一冊。
全体として図が多く、説明が丁寧で入門書にぴったりです。
制御工学が苦手な方におすすめしたいです。
こちらのページから正誤表と演習問題の解説が見れるのですが、これに載っていない誤植も多少あります
誤植が多いのが本当に残念ですが良書です
入門書として人気の一冊。
古典制御に関しては、さきほどの「ゼロからはじめる制御工学」とどちらか一冊を持っていれば十分だと思います。
制御工学に関してはJSMEシリーズはあまりおすすめできません。
正直分かりにくかったです。
1冊でまとめてやりたい
機械系院試のバイブル。
旧帝や東工大の機械系院試を受験する人で、持っていない人の方が少ないのではないでしょうか。
機械力学、材料力学、熱力学に関してはこれ一冊で大体の範囲をカバーすることができますが、材料力学の分野だけは、JSMEシリーズなどの他の教材と座標軸の取り方が逆なのでおすすめできません。
四力問題精選については下記の記事で詳しく書いているので、気になる方はご覧ください。
4力と基礎数学を基礎から応用まで学べる問題集。
四力精選よりは簡単な問題が多いです。
内容は分かりやすいのですが、誤植が多いので注意が必要です。
まとめ
今回は大学院試験の専門科目のおすすめ参考書を紹介させていただきました。
まずは志望先の出題範囲と難易度を確認してから使用する参考書を決めるのがいいと思います。
早め早めの準備が大事になると思います。頑張ってください。
数学編もありますのでぜひご覧ください。