制御工学 機械工学

開ループ伝達関数、閉ループ伝達関数と一巡伝達関数の違いについて解説

以下のようなフィードバック制御系を考えます

 

 

 

開ループ伝達関数、閉ループ伝達関数、一巡伝達関数をそれぞれ\(W_{o}(s)~,~W_{c}(s)~,~W_{r}(s)\)として、数式で表すと

$$\begin{align*}
W_{o}(s) &= G_{c}(s)G_{p}(s)\\
W_{c}(s) &= \frac{G_{c}(s)G_{p}(s)}{1+G_{c}(s)G_{p}(s)H(s)}\\
W_{r}(s) &= G_{c}(s)G_{p}(s)H(s)
\end{align*}$$

のようになります

 

それぞれの伝達関数

それぞれの伝達関数についてもう少しだけ詳しく説明します

 

開ループ伝達関数

 

偏差\(e\)から制御量\(y\)までの開ループシステムの伝達関数を、開ループ伝達関数と呼びます

数式で表すと

$$W_{o}(s) = G_{c}(s)G_{p}(s)$$

のようになります

 

開ループ伝達関数は、システムの基本特性を知るために使用されます

また、開ループ伝達関数はとてもシンプルであるため、フィードバック制御系に問題があったときは、最初に開ループ系に問題がないかを調べる場合があります

 

閉ループ伝達関数

 

フィードバック系全体の伝達関数を、閉ループ伝達関数と呼びます

数式で表すと

$$W_{c}(s) = \frac{G_{c}(s)G_{p}(s)}{1+G_{c}(s)G_{p}(s)H(s)}$$

のようになります

 

閉ループ伝達関数は、フィードバック系全体の伝達関数であるため、フィードバック制御系の性能を評価するために使用されます

システムを厳正に評価できますが、式が複雑であるため、扱うのが大変というデメリットがあります

 

一巡伝達関数

 

偏差\(e\)から検出量\(\hat{y}\)の伝達関数を、一巡伝達関数と呼びます

数式で表すと

$$W_{r}(s) = G_{c}(s)G_{p}(s)H(s)$$

のようになります

 

一巡伝達関数は、名前の通り、フィードバック系を一巡したらどうなるかを表した伝達関数です

主にシステムが安定かどうかを評価するために使用されます

 

 

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【参考】
https://electronics.stackexchange.com/questions/334437/what-is-the-difference-between-the-forward-transfer-function-and-closed-loop-tra

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